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海外ルーツの
子どもたちを知る

Know

海外ルーツの子どもたちにインクルーシブな社会を

増える海外ルーツの青少年と不十分な受け入れ体制

海外にルーツを持つ青少年とは、両親またはそのどちらか一方が外国出身者である子どもや若者のことを表す言葉です。 つい先日、来日したばかりという子ども・若者もいれば、日本で生まれ育った人もいます。外国籍の青少年だけでなく、日本国籍のみ、二重国籍の人もいますし、難民2世などで無国籍状態の人も含まれています。

近年、日本で暮らす外国人は増加しています。大人だけでなく、海外にルーツを持つ子どもや若者も同様に増えており、支援体制がじゅうぶんでない中で、日本語がわからず困難に直面する現状などがメディアを通して知られるようになってきました。

海外にルーツを持つ青少年やその家族にとって、「日本語の壁」はとても高く、なかなか超えることができません。成長著しい時期に言葉の壁に直面することで、時には心身の健全な発達にすら影響を及ぼすような深刻な事態に陥ることがあります。また、その影響は悪循環を引き起こしやすく長期化することも珍しくありません。

海外ルーツの子どもたちを取り巻く現状

海外にルーツを持つ青少年が日本社会の中で直面する困難は多岐にわたりますが、現時点で、その受け入れ体制の整備状況には地域や支援領域による偏りが大きいのが現状です。

支援の担い手不足と高齢化が課題に

長年にわたって海外ルーツの子どもたちを支えてきたのは、ボランティアの手弁当による活動です。しかし現在、そのボランティアの世代交代が進まず、メンバーが高齢化したことにより、活動を休止、縮小する団体が出始めています。

さらに、他のソーシャルセクターと比べ、社会起業家や一定以上の基盤を有するNPO等が少ないことにより、支援者の雇用が進まず、若い担い手が育成されない現状があります。

「教育支援」への偏り
生活・福祉支援・社会的資源へのアクセス不足

海外にルーツを持つ子どもや若者、その家族が直面する困難は、日本語教育や学校での学習に限られるものではありません。貧困やいじめ、差別、10代での妊娠・出産や非行、DVなど、複合的な課題を抱える青少年も少なくないのが現状です。

一方で、海外ルーツの青少年やその家族に対する支援は、主に「教育分野」に偏よりが見られ、政策上の取り組みもこの分野に偏重しているのが現状であり、生活・福祉等に関わる支援やその他の社会的資源へのアクセスはほとんど開かれていない状況です。

海外ルーツの青少年支援をめぐる現状

海外ルーツの青少年支援をめぐる現状 海外ルーツの青少年支援をめぐる現状

97%が「帰国しない」 ―共生社会に生きる青少年と家族と共に

mincを運営する、NPO法人青少年自立援助センターYSCグローバル・スクールでは、これまでに出会った海外にルーツを持つ青少年とその家族に対して、「今後、日本以外の国に帰国したり、移住する予定があるかどうか」を尋ねています。約10年間、年間100世帯以上にこの質問を続けていますが、97%は「今後、日本以外の国に住むつもりはない」「帰国の予定はない」と答えています。また、彼らが有する在留資格も定住・長期滞在が可能となっているケースが大半を占めていますし、全体の3割の青少年は日本国籍を有しています。

以前は「外国人=出稼ぎ」というイメージが主流であった時代がありました。政府は今でも「移民不在」の姿勢を崩していません。

しかし、海外にルーツを持つ青少年やその家族たちは、確実に日本に根付き始め、世代を紡ぎながら暮らしています。私たちmincは、このような多様な人々と共に生きる「共生社会」が、海外ルーツの家庭にとってだけでなく、すべての人々にとって「インクルーシブな社会」となるように、その実現に向けて歩みを進めていきたいと思います。

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